shakaihoshotaroの備忘録

日々の暮らしの備忘録

Beckfield and Bambra(SSM 2016) 社会政策は寿命に影響するのか

社会政策と平均寿命の関連を探った論文.主な結果は以下. ・米国はOECD諸国と比較して平均寿命が短い ・固定効果モデルによる分析結果は,社会政策の寛大さと平均寿命の正の関連を示す ・米国の社会政策の寛大さがOECD諸国平均になれば,米国の平均寿命は3.…

『週刊社会保障2017年2月6日号No.2910』のメモ

介護納付金の総報酬割導入や「介護医療院」の創設を明記 内容 ・厚労省は1/27の自民党厚労部会にて,「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律案」「厚生労働省設置法の一部を改正する法律案」を説明. ・改正の趣旨は「地域包…

『月刊介護保険2017年2月号vol.252』のメモ

静岡県磐田市の「ケアメン講座」 内容 ・磐田市では,平成27年度から,妻や母親らを介護する男性介護者を対象に「ケアメン講座」を 開催している. ・介護の知識や方法を学んでもらうのが目的. ・開催のきっかけは地域包括支援センターに男性から複数の相談…

『月刊介護保険2017年1月号vol.251』のメモ

学研ココファンの「多世代交流」 内容 ・学研ココファングループでは,介護と保育の両者横断で多世代交流委員を設けており,より効果的な交流の促進とノウハウの蓄積に取り組んでいる. ・東北大や早稲田大との共同研究も行っているそう.記事によれば,多世…

Geijtenbeek and Plug (2015) 性転換からみる男女間賃金格差

男女間賃金格差(差別)を検証するために,性転換者の性転換前後の賃金を比較した論文.性転換前後で個人の能力・特性に変化はないが,女性に性転換した者は賃金が下がり,男性に性転換した者は賃金が少し上がった.こういったデータを行政(オランダ)が持…

Xu and Xie (2015) ヴィネット調査による主観的健康観バイアス補正

調査回答の異質性が主観的健康観にバイアスをもたらすかを検証し,そのバイアス補正を試みた論文.前者については,社会経済的地位に関連してシステマティックな回答傾向があるそうだ.このバイアスはなかなか大きいようで,これをヴィネット調査で補正する…

Altman et al. (2016) 主観的健康観は何を意味するか

主観的健康観は健康を測る一指標として広く使われている.その主観的健康観がどのように文脈化されているのかについて,「肥満ー主観的健康観」の関連からAPC分析を行った研究.肥満の人はそうでない人より健康状態が悪いと答えていることがわかった(APCで…

Kang et al. (2016) 婚姻状況と死亡率:幼少期の家族構成に着目して

婚姻状況と死亡率に関連があることは知られているが,その関連が幼少期の家族構成によってどう調整されるのかはよくわかっていない.分析の結果は,妻や夫と死別した場合には死亡確率が高まり,また幼少期に生物学的な両親と暮らしている場合には死亡確率が…

Barbabella et al. (2016) どういう人が外国人ケアワーカーを雇っているか

先進国ではケアの担い手が不足する現象が広くみられるなか,移民や外国人ケアワーカーに着目し,社会経済的な地位が外国人ケアワーカーを雇うか否かを予測するかを検証した論文(イタリアで).イタリアの介護労働市場がよくわからないが,各人がケアワーカ…

Azose et al. (2016) 移民の不確実性を考慮した確率的人口予測

出生率,死亡率,移民を考慮した確率的人口予測を行った論文.少子高齢化やグローバル化に伴う移民増が世界的に進行する中で,人口予測は様々な政策決定に影響を及ぼしている.これまでの人口予測では移民についてdeterministicに扱ってきたが,本論文ではpr…

Currie and Schwandt (2016) 貧富間の死亡率格差

死亡率格差を扱ったキュリー大先生の論文.社会科学者がサイエンスに論文載せるというのは凄いこと.貧困層と非貧困層では死亡率が有意に異なるという死亡率格差がアメリカでは久しく言われているが,そうした研究の多くは中・高年齢層をターゲットにしてい…

Mokdad et al. (2016) 世界の若年層の疾病,死因,リスク要因について

若年層の疾病,死因,リスク要因について大規模に記述した論文.例によって医学系の論文なので著者がやたら多い.若年層の健康はあまり着目されていないそうで,そうした事情がモチベーションになっているという.結果は,色々と出ているが,死因については…

Zhang et al.(2016) ライフコースでみる認知障害の人種間格差

BlacksはWhitesに比べて高齢期に認知障害となりやすいという.この格差をライフコースの視点で分析した論文.幼少期の経験や環境等のライフコース要因を考慮したうえでも人種間格差は大きくあるようだ. Zhang, Z., Hayward, M. D., & Yu, Y.-L. (2016). Lif…

Göpffarth et al.(2016) 医療費が地域によって異なるのはなぜか

ドイツでは地域によって医療費が大きく異なるそうで,その要因を分析した論文.健康状態やデモグラフィック要因等が効いているようだ. Göpffarth, D., Kopetsch, T., & Schmitz, H. (2016). Determinants of Regional Variation in Health Expenditures in …

Kranker (2016) メディケイド疾病管理プログラムが医療費に与えた影響

近年のアメリカの多くの州で導入されているメディケイド疾病管理プログラムが医療費にどのような影響を与えたのかを検証した論文.プログラム導入は医療費適正化を掲げていたため,実際に医療費は削減されたのかを検証する必要がある.結果は,一人あたり一…

「平成26年国民年金被保険者実態調査」

厚労省が昨年の12月25日に「平成26年国民年金被保険者実態調査」の結果を公表した. 厚労省「国民年金被保険者実態調査」 厚労省のページによれば,この調査目的は以下である. 「国民年金第1号被保険者について、保険料の納付状況ごとに、その実態を明らか…

鏡諭「介護保険:これからの10年でできること」『月刊介護保険 Vol.237』

介護保険創設に向けては,国保の二の舞を憂う市町村に納得してもらう必要があった.当時の厚生省ではカリスマ職員といわれる市町村職員を呼び,省の幹部やカリスマ職員たちと勉強会が開催されていたそうである.所沢からは鏡氏が参加していたそうだ.このと…

神奈川県川崎市の取り組み:サービスの質を評価する仕組みの制度化を目指す(月刊介護保険237)

月刊介護保険の巻頭を飾る,各自治体の取り組みを紹介するコーナー.毎回勉強になることが多い. 「神奈川県川崎市の取り組み:サービスの質を評価する仕組みの制度化を目指す」『月刊介護保険 Vol.237』 内容 1.出生率が高く若い世代の多い都市 ・人口144…

週刊社会保障2849(2015/11/9)のメモ

【時事評論】増田雅暢「「介護離職ゼロ」は可能か?」 内容 ・「介護離職ゼロ」とは,介護を理由に仕事を辞める人をゼロにする,ということであるが,果てして可能だろうか. ・総務省「平成24年就業構造基本調査」によれば,平成19年から10月から平成24年9…

週刊社会保障2850(2015/11/16)のメモ

最近メモを怠っていたの再開. 【時鐘】協会けんぽの保険料率 内容 ・協会けんぽの保険料率10%(47都道府県支部平均)を平成28年度に引き下げるのか,維持するのか,年末に向けて大きなテーマ. ・運営委員会では「単年度収支均衡が原則であり,引き下げられる…

医薬分業に関する資料・文献メモ

医薬分業に厳しい目が向けられている.医療保険制度が色々と厳しい状況にあるなかで,「医薬分業が医療費を膨張させた」「薬局は儲けすぎだ」「医薬分業は機能していない」等の様々な批判が関係者の間であがっている.で,『社会保険旬報』の2/1号から漆畑稔…

週刊社会保障 feb 2015 vol.69 no.2813

『週刊社会保障』の最新号の特集2は「中重度の要介護者や認知症への対応を評価:社保審が27年度介護報酬改定案を諮問・答申」となっている. 9784865131369 出版社/メーカー: 週刊社会保障2015年2月16日 特集「医療保険制度改革法案は3月上旬に国会提出予定…