shakaihoshotaroの備忘録

日々の暮らしの備忘録

2016-06-11から1日間の記事一覧

Kang et al. (2016) 婚姻状況と死亡率:幼少期の家族構成に着目して

婚姻状況と死亡率に関連があることは知られているが,その関連が幼少期の家族構成によってどう調整されるのかはよくわかっていない.分析の結果は,妻や夫と死別した場合には死亡確率が高まり,また幼少期に生物学的な両親と暮らしている場合には死亡確率が…

Barbabella et al. (2016) どういう人が外国人ケアワーカーを雇っているか

先進国ではケアの担い手が不足する現象が広くみられるなか,移民や外国人ケアワーカーに着目し,社会経済的な地位が外国人ケアワーカーを雇うか否かを予測するかを検証した論文(イタリアで).イタリアの介護労働市場がよくわからないが,各人がケアワーカ…

Azose et al. (2016) 移民の不確実性を考慮した確率的人口予測

出生率,死亡率,移民を考慮した確率的人口予測を行った論文.少子高齢化やグローバル化に伴う移民増が世界的に進行する中で,人口予測は様々な政策決定に影響を及ぼしている.これまでの人口予測では移民についてdeterministicに扱ってきたが,本論文ではpr…

Currie and Schwandt (2016) 貧富間の死亡率格差

死亡率格差を扱ったキュリー大先生の論文.社会科学者がサイエンスに論文載せるというのは凄いこと.貧困層と非貧困層では死亡率が有意に異なるという死亡率格差がアメリカでは久しく言われているが,そうした研究の多くは中・高年齢層をターゲットにしてい…

Mokdad et al. (2016) 世界の若年層の疾病,死因,リスク要因について

若年層の疾病,死因,リスク要因について大規模に記述した論文.例によって医学系の論文なので著者がやたら多い.若年層の健康はあまり着目されていないそうで,そうした事情がモチベーションになっているという.結果は,色々と出ているが,死因については…

Zhang et al.(2016) ライフコースでみる認知障害の人種間格差

BlacksはWhitesに比べて高齢期に認知障害となりやすいという.この格差をライフコースの視点で分析した論文.幼少期の経験や環境等のライフコース要因を考慮したうえでも人種間格差は大きくあるようだ. Zhang, Z., Hayward, M. D., & Yu, Y.-L. (2016). Lif…

Göpffarth et al.(2016) 医療費が地域によって異なるのはなぜか

ドイツでは地域によって医療費が大きく異なるそうで,その要因を分析した論文.健康状態やデモグラフィック要因等が効いているようだ. Göpffarth, D., Kopetsch, T., & Schmitz, H. (2016). Determinants of Regional Variation in Health Expenditures in …

Kranker (2016) メディケイド疾病管理プログラムが医療費に与えた影響

近年のアメリカの多くの州で導入されているメディケイド疾病管理プログラムが医療費にどのような影響を与えたのかを検証した論文.プログラム導入は医療費適正化を掲げていたため,実際に医療費は削減されたのかを検証する必要がある.結果は,一人あたり一…