神奈川県川崎市の取り組み:サービスの質を評価する仕組みの制度化を目指す(月刊介護保険237)
月刊介護保険の巻頭を飾る,各自治体の取り組みを紹介するコーナー.毎回勉強になることが多い.
内容
1.出生率が高く若い世代の多い都市
・人口144万9651人,高齢化率は18.9%,要介護認定率は17.1%.
・第6期介護保険事業計画期間(H27~29)の介護保険料基準月額は5540円.高齢化率は18.9%と比較的低いが介護保険料は全国平均と同程度.
2.地域包括ケアシステム推進ビジョンを策定
・平成27年3月には,「川崎市地域包括ケアシステム推進ビジョン」を策定.推進ビジョンの特徴は,高齢者をはじめ障害者や子ども,子育て中の親,現時点では他者からのケアを必要としないすべての地域住民を対象に,もともと存在する制度をいかにつなぎ合わせていくかという視点.
3.介護サービスの質を評価するモデル事業
・平成26年4月に「かわさき健康福寿プロジェクト」を設置し,介護サービス事業者が適切なサービスを提供することで,利用者の要介護度が維持・改善した場合に,評価する仕組みの構築を開始.
・ 介護サービスの質の評価に関する取り組みとしては,岡山県岡山市や東京都品川区が有名であり,川崎市はそのような市町村と情報共有している.
4.男性に特化した介護者の集いを開催
・平成24年度からは認知症の家族を介護している人を対象に「認知症あんしん生活実践塾」を開催.
・年1回,認知症の親や妻を介護する男性介護者を対象に,介護方法を勉強したり,日頃の介護の悩みを語り合ったりする「男性介護者の集い」を開催している.老健職員などを講師に.
覚書
・要介護度を改善させようとするインセンティブ設計の話は以前からずっと議論されている.
・介護サービスの質の評価のあり方に係る検討委員会 「介護サービスの質の評価について」
・堀田聡子「「介護サービスの質の評価」の考え方」